Xサーバーを5年以上使っているのですが、昨今の苛烈なレンタルサーバー競争の中、最近気になっていたのが、ColorfulBox。
カラフルボックスはWordPressの高速表示に定評があるLiteSpeedを採用していたり、割引キャンペーンで初年度は半額近い値段で契約できる事で話題のサーバー。
と感じ、ColorfulBoxを試してみる事にしました。
しかし、結論から言うと、私はカラフルボックスから無料お試し期間で撤退。引っ越しやめてXサーバーを更新する事にしました。
え?なんで?評判いいんじゃないの?って事で、ColorfulBoxのメリット、デメリットをXサーバーを引き合いに出しながら解説していきます。
ColorfulBoxを使ってみて、Xサーバーにやっぱり戻した理由
結論から言うと、ここが自分には合わないと感じた所でした。
ColorfulBoxは
- メモリが足りない・・
これさえクリアしてたら移行してた・・
このメモリの話と、ColorfulBoxがXサーバーとどう違うかを話していきます。
ColorfulBoxのメモリの量は大丈夫なのか!?
ColorfulBoxは、
- MySQL(データベース作成)無制限
- ドメイン登録無制限
- サブドメイン作成無制限
です。一見「わーい、これで格安料金でWordPressサイト大量作成できそう!」なスペックに感じますよね。
当方はサイト量産はしませんが、テスト用サイトなど含めて20サイト以上をサーバーにインストールしてます。
しかし、ちょっとこれを見て欲しいのですが、
例えば、私が利用してみたBOX2プラン (エックスサーバーのX10に料金や仕様が似たプラン) だと6GBのメモリが割り当てられてるのですが、
たった4サイト入れた時点で、すでに半分近くのメモリを使ってしまっています。しかもまだ1サイトしかドメインは紐付けてないので、アクセスが来てるのは1サイトだけです。
で、さらに本命のWordPressサイトを2つ追加でインストールしてみました
(合計6サイトインストール)。すると・・
えーーーー!!
ちょっと待ってよと。これまだアクセス流してない状態ですよ。アクセス流してなくてもうメモリ70%以上使っちゃってます。(注意マークまで出ちゃってるし!)
これで実際にサイトにアクセス流したら、使い物にならないのは目に見えてますよね(汗)
さらに後日、ログインしてみると・・
なんか知りませんが、ほぼ全部のメモリ食ってます(SiteSpeed Insightsで速度計測した以外、アクセス流してないのに・・)
どうも、あるサイトを消した時点で一気にメモリ使用量が減った事から、
なにかしらプラグインかテーマによっては勝手にメモリを大量に使うものがあるみたいです。
何がそんなにメモリを喰うのか?
例えば、アクセス解析系プラグインなんかは、バックグラウンドで動くので、
メモリを食いそうですよね。
キャッシュ系プラグインも密かにメモリを喰っている場合もあります。
特にLiteSpeed Cacheのオブジェクトキャッシュを使う場合なんかは、
Memcachedと書いてある通り、メモリでキャッシュするのでしょうから、メモリを常時食いそうです。
他にも、Cronでバックアッププラグインを定期的に動かしていれば、バックアップ中はメモリを大きく使います(終われば、メモリは使いませんが)。
メモリを大食いしてるのが何かを突き止めるのが難しい・・
ちなみに、この後、一度1サイトを残して全部のWordPressやその他入れたプログラムを消してみました。すると、
今度はメモリ1%しか使ってない状態まで戻りました。
残した1サイトのWordPress管理画面にアクセスしてみます。
アクセスがあると、WordPressが起動して、2.4GB前後(40%程度)喰うようです。
さらに、この後、2WordPressサイト復元して(計3サイト)、管理画面にそれぞれアクセスしても、同じく2.4GB程度のままでした。アクセスを完全に止めると、使用量0GBに戻ったりもしました。
いろいろプラグインを止めたりして原因を探ったけど、結局何が原因で97%とかなるのか分からず・・
せめてどれがメモリを食ってるのかを解析してくれるアプリとか純正でついてればいいんですが、それも無いので、結構困るなぁと感じました。
メモリってどれくらい必要なのか?
そもそもWordPressってメモリそんな喰うの?って所なんですが、
実際、データが空っぽのWordPressをインストールしただけだと、0.01GBしかメモリを使いませんでした。
なので、真新しいWordPressを20個インストールしても、喰うメモリは0.2GB程度です。これなら6GBという制限でも余裕に感じます。
しかし、いざ中身のデータをXサーバーからコピーした所、先程の画像のように、あっという間にたった6サイト分で、メモリの70%(後日なぜか97%)を使い切ってしまいました・・
そもそも、レンタルサーバーのメモリってどういう時に必要なのかというと、
特にアクセスが増加した時に、メモリ使用量も増えます。
例えば、記事がSNSでバズって、急にアクセスが大量に来るとします。
この時に、メモリを使い切ってしまうと、サイトが落ちてしまいます。
もちろん、メモリのパワーを100%回しきれないほど忙しい状態が続けば、
アクセスが少なかろうと、表示速度も落ちていきます。
ちなみに、バズ部さんの昔の記事によると、月50万PVあるサイトでも0.25GBもあれば事足りるそうです。
なので、なんだ1GBでも残ってれば大丈夫じゃんって感じしますが、でもある日バズってアクセスが爆発した時に、このメモリに余裕がないとサイトが落ちるってわけです。
もちろん、カラフルボックスは、プランが細かく小分けされてるので、メモリが足りないなら上位プランに上げれば良いわけですが、それだと、Xサーバーより高く付いてしまうため、あまり旨味を感じません。
Xサーバーのメモリの容量は?
って所なんですが、Xサーバー(X10プラン)は、自分のサーバー情報を見た所512GBありました。
と言ってもこれは共用のサーバーのメモリであって、1人で512GB使えるわけではなく、みんなで512GBを分け合って使う事になります。
Xサーバーは1アカウントあたり何GBのメモリ割当かは公表してません。なぜか?理由はここに書かれてました。
wpXより引用
ここに書かれてる通り、「メモリは1人何GB割当」とXサーバーでは決めておらず、バズったサイトが出たら、そこに余ってるメモリをササーッとその時だけ貸してあげて、サイトが落ちないようにするっていうタイプのサーバーなんです。
とも思うわけですが、そこはプランごとに転送量目安があって、毎日転送量が上回るようなサイトは上位プランにしてくれと通告してるそうです。
逆にColorfulBoxやMixhostは、メモリを厳格に区切って「1アカウントあたり〇〇GBだよ」としてます。
ある意味こっちの方が公平ではありますし、少ないサイトを運用してるなら、こっちの方が安定とも言えます。
ただ、当方のように20サイトとかをドカスカ入れるタイプだと、メモリをやはり喰うので、ColorfulBoxだとプランを上位に上げる必要がでてきます。
実際、今までエックスサーバーで20サイト(半分はテストサイトでアクセスなし)入れて5年以上運用してますが、ディスク容量はもちろん減りますが、メモリ容量で困るなんて問題は一度も起きてません(そもそも今まで気にした事すらなかった)。
そして速度低下やサイトが落ちたなんて事もありません。
そこは老舗エックスサーバー独自のノウハウがあるのでしょう。エックスサーバーすげぇ・・
ColorfulBoxはLiteSpeedを使ってるから高速なのか?
という場合、XサーバーよりColorfulBoxの方が良いのかですが、
まず、ColorfulBoxは、WordPressを高速で表示できると評判のLiteSpeedを使ってます。
対してXサーバーはnginx(エンジンエックス)です。
じゃあ、LiteSpeedはnginxよりそんなに速いのか?っていうと、それに関しては、実際にガチ計測して対決させた記事があります。
→XサーバーとColorfulboxどっちが速い?LiteSpeed困った!?
結果を言うと、ほぼ同じでした(と言っても誤差でXサーバーの方が速かったです。)
実際に検証している他サイトを見ても、「LiteSpeedは高速化というより、大量アクセスが来た時にそれを短時間で捌く事に優れていた」という結果が多いです。
これを考えた時に、今すでにアクセスが大量に来ているサイトがあって、
その1サイトをColorfulBoxに引っ越しするという場合だったら、十分なメモリを1サイトに割り当てられて、LiteSpeedの恩恵も得れるので、高速化が見込めます。
逆に複数サイトを高速化と考えた場合、上位プランにしないとカラフルボックスではメモリ不足になってしまう可能性が高いです。
結局メモリが足りないせいでサイト表示が遅くなったり、サイトが落ちたりなんてオチになりかねないというのがあります。
wpXシンもColorfulBox同様に、メモリやCPUが厳格に分かれている。正直こっちの方が価格も安くスペックも高いので、少数サイトなら、wpXシンを選んだ方が良い結果が出そう。
この辺は、ColorfulBox も エックスサーバーもwpXシン・レンタルサーバーも無料お試し期間があるので、心配な場合は無料お試し期間で検証してみると良いでしょう。
→【得有】ColorfulBoxの無料お試し申込手順全部図解(アダルトも!)
ColorfulBoxは、Xサーバーと比べてUIが難しい!?
ColorfulBoxはMixhostと同じcPanelというユーザーインターフェースを使ってます。
下はXサーバーの管理画面です。
正直、使い勝手は似ていて、どちらも直感的に分かりやすいです。
ただ、ColorfulBoxを使ってみて、唯一ひっかかったのが、
・アドオンドメインという構造が複雑
という点です。
アドオンドメインという構造が複雑
ColorfulBoxに独自ドメインを追加で登録していく時は、「ドメイン」ではなく、「アドオンドメイン」というのを使います。
これを使うと、「nebi.com」を登録したら、自動的に「nebi.cfbx.jp」というColorfulBoxの無料サブドメインも作成され、nebi.cfbx.jpにアクセスすると、nebi.comと同じものが表示されるようになってます。
まあ、これはこれでドメイン移行前に、サイト表示できたりして便利っちゃ便利なんですが、(いや、実際使ってみると、この機能は使い物にならず、無駄機能でした・・)この仕組みを理解するまで、何度かWordPressを入れたり消したり右往左往しました(汗)。
ColorfulBoxは、使い方がサポートサイトに細かく書いてあるので、サポートサイトで検索→解消って感じで、一通り解決しました。
無料お試し期間が30日間もあるので、初めてでも慣れるまで十分な時間が用意されてるのは、素晴らしい所です。
でも、実際にWordPressやLaravelをインストールしてみたら、タイムラグとかなくて、高速表示されてたからそこは安心したよ。
ColorfulBoxはXサーバーよりPHPバージョンが柔軟!
他にもColorfulBoxが優れている点として、サブドメイン単位で、PHPのバージョンを変えられるというのがあります。
レンタルサーバー | PHPバージョン割当 |
ColorfulBox | サブドメイン単位 |
Xサーバー | ドメイン単位 |
ロリポップ | ドメイン単位 |
Conoha | サーバ単位 |
例えば、Xサーバーやロリポップでは、
- abc.com PHP7.4
- def.com PHP5.6
のように、ドメイン単位でのみ変えられるのに対して、
ColorfulBoxでは、
- abc.com PHP7.4
- sub.abc.com PHP 7.2
- new.abc.com PHP 5.6
- def.com PHP8
のように、サブドメイン単位で変更できちゃいます!
結論:ColorfulBoxは、少数のサイト運用向け
ColorfulBoxのメインプランであるBOX2は、スペック的にはXサーバーのX10プランに似ていて、料金もクーポンやキャンペーンで初回割引があるため、安くて速くて高性能という素晴らしいサーバーである事は間違いないです。
しかし、メモリ割当制限があるため、複数サイト(私のように100ページ以上あるサイト5つ以上運用)などとなると、メモリが足りなくなって使い物にならなくなってしまうという欠点がありました。
だから、心配であれば、とにかく30日間の無料お試しで、自分で検証してみるのがベストだよ。テストするだけならタダだからね。
申込の流れは下の記事で超詳しく図解してるよ。
最初から1サイト運用などでやっていくのであれば、コスパはColorfulBoxの方がXサーバーより良いと感じます。(クーポンで初年度半額近い割引になるので )
しかし、複数サイトを運用したり、テスト用にミラーサイトを沢山インストールしたいなど、そういった使い方をするなら、断然Xサーバーだなと改めて実感しました。
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