先日、あるお店の前を通り過ぎた時の事です。
その店の前は良く通り過ぎるのですが、
その店の前に目を疑う驚愕の立て札がありました・・
その立て札を見る前にまず、この店の看板を見て欲しいんです。
これ、なんのお店だと思います?
お店っていうか、実は店じゃないんです。
でも、私は、この看板を見る度、「なんか犬の美容室とか、ペットグッズを売ってる店とかそういう店なんだろうなぁ~って思いながら通り過ぎていたんです。」
でも、ある日、立て札が道路脇に立っていて、
それを見て、「え?そうなの(汗)?マジで?あ、本当だ・・」ってなったんですよ。
え?(汗)・・・整骨院・・・嘘?
看板を2度見、いや3度見しました。
確かに整骨院と書いてあるのです。
まさか、ここが人間向けのお医者様だったとは、予想だにしませんでした。
いや、確かにデカデカと文字で整骨院と書かれているのですが、
全く気付きませんでした。しかも半年以上・・
というか、実際にこんな「どうぶつ病院じゃありません」という立て札を店の前に出さなきゃいけないという事は、ペットショップだとか獣医だと思って、本当に来る人が、実際1人、2人だけではなく、複数人いたから、しびれを切らしてこんな立て札を出してるわけです。
というか、実はですね、さらに不運な事に、
実際にこのクリニックがオープンする前、
ここはワンちゃんのトリミングサロンだったんですよ(汗)。
というか、このクリニックをオープンした人達だって、その事実を絶対に知ってるはずです。知ってるはずなのに、なんで同じ犬のキャラを使っちゃうんだろうと・・
だから私はてっきり「あぁ、犬のお店看板だけ変えたのか・・」って思ってたんですよ。
でも、どうぶつ病院だと思われているという事は、ここをトリミングサロンだったと知らない人でも、キャラを見て獣医だと思ってしまうというわけです。
もしくは、骨折した動物のための整骨院だと思われてる可能性すらありますね。
キャラ選びに失敗している良い例
例えば、動物をイメージキャラにしているお店やクリニックなんて
他にもいくらでもあります。
例えば、ゴリラのマークのゴーゴーカレー。
このゴリラだったら、そもそもペットにする動物ではないので、
ペットショップという思い込みが発生しにくいですし、
ゴリラより目立つ赤色でカレーと分かりやすく書かれているのと、
カレー色の看板、そして店内から香るカレーの匂いで、
どう考えても、カレーのお店と通り過ぎる前に気づく事が出来ます。
しかし、こちらの看板、
まず、ブルドッグ、パンチという単語は、勢いよく目に入ってきますが、
ブルドッグという単語と、ブルドッグのキャラの印象が強すぎて、「整骨院」までは
通りすぎる一瞬では、印象に残らないのです。
実際、一瞬この看板をなんとなく見た人の多くは、
「ブルドッグ・・院」だけが印象に残るから、「獣医」だと思うわけですよね。
しかも、犬が骨を持ってる所が、また「エサでも売ってるのかな・・」のように感じさせてしまいます。まあ、整骨院だから骨を持たせたのだと思いますが、
でも、せめて、このブルドッグキャラに白衣を着せて、
マッサージしてるようなキャラにでもすれば、
人間用のクリニックだという事がひと目で分かります。
しかし、なぜかただ単なる犬のキャラをまんま貼ってるのです。
例えば、耳鼻科や小児科医院であれば、子連れ客が多いですから、
子供に優しそうなお医者さんがいそうなイメージにするために
ちょっとカワイイ動物キャラを使って成功している医院は結構あります。
しかし、整骨院では、子連れがターゲットというわけでもないでしょうし、
仮に子連れがターゲットだとしても、このあまり可愛いくないブルドッグキャラを
使う理由がないと思うのです(汗)。
また、なんだかこの可愛くもないけど、威厳も感じさせないブルドッグを使う事で、
お医者様とか国家資格を有した整復師という威厳すらも薄めてしまっている感じがします。
よっぽど白衣を着た医院長の写真でも看板に載せた方が
お客さんに整骨院だと認知され、信用度もあがるでしょう。
仮にこの看板が、実際にペット関連ショップなら、
印象に残る良い看板だと思います。
この看板から、整骨院というのが全然イメージ出来ないというのが一番の問題ですね。
一瞬でどんなお店か分かる事って大切!
先ほども言いましたが、もしこのブルドッグキャラが白衣でも着ていれば、少なくとも、ペットショップだとか思われる事はないでしょうし、
何かのクリニックなんだなというのが伝わります。このクリニックの場合、白衣を着せただけだと、相変わらず獣医だと誤解されてしまいそうですが、
そこは、「整骨院」という部分を「ブルドッグ」という文字より大きくし、目立つ色にしたり、
フリガナをふるか、「せいこついん」とひらがなにする等で、一瞬でも脳が認知できるようにして、理解を深める事ができるはずです。
きっとこのクリニックとしては、覚えてもらいやすいクリニック名として、ブルドッグとしたのだと思います。その戦略は正しいと思うのですが、
ただ、やはり何の店(何のクリニック)なのかというのが、
一発で分かるようにするって大事だなと改めて勉強になりますね。
例えば、同じような例で、くすりの福太郎というドラッグストアがあります。
これも、一瞬「ペット関係のショップかな!?」と知らない人が見たら、思うと思います。
この薬屋のワンちゃんも赤十字マークや白衣、カプセルマークなど、何も薬を連想させるものがないので、正直分かりづらいキャラ設定だなと感じます。
ただ、目に入りやすいひらがなで「くすり」と書かれているので、
「あぁ、薬屋か・・」とたとえ一瞬の判断でも気付くと思います。
先ほどの場合は、その一瞬で目に入るのが「ブルドッグ」
という文字の部分になってしまっているのがマズイ所と言えます。
これって、実際に、ネットビジネスでも、バナーを作ったり、
キャラクターを使う時など、非常に役立つ例だと思います。
よく人は「見ない(読まない)、信じない、行動しない」と言いますが、
私が今回半年以上この店が整骨院だったと気付かなかったのも、
まさに人って自分に関係ないと思ってる事は、
ほとんど認識してない良い例だと感じました。
いや、私、結構、首とか肩とか痛める事多いんで、
このすぐ近くにある、指圧とか、マッサージとか整形外科とかは
やっぱり視界にちゃんと入ってくるんですよ。
「へぇ~こんな所にカイロプラクティックあるけど、保険は効かないよな~、いくらなんだろ~」みたいな感じで。
でも、この整骨院に関しては、あまりにも犬の印象が強すぎて、気付かなかったのです。
いかにこの骨を持ったブルドッグキャラが逆効果になってしまっているのかという事だと思います。
一瞬で何の広告だか分からせる必要がある
勘違いさせるようなキャラを使うと逆効果
キャラにその店がなんの店なのか理解させるコスチュームを着せるべき
ターゲットに受けそうなキャラを使う
人間が一瞬で認知できる文字数は限られている
ひらがなやカタカナの方が一瞬で認知しやすい
何の店か分かる部分の文字を大きくしたり、目立つ色を使う
などなど、そういった事が学べたわけです。
案外ビジネスがうまくいくアイデアって身近な所で勉強になるというわけですね。